「ル・クロ」の最初のお店は大阪西心斎橋の路地裏で誕生しました。オーナーシェフ黒岩功は、21歳で全国司厨士協会メンバーとしてスイスに渡り、フランスの二つ星〜三つ星レストランでも腕を磨いた経歴の持ち主。
「ル・クロ」第1号店は、そんな本場仕込みのフレンチを、お箸を使って楽しめる隠れ家風レストランとして評判を呼ぶことに。
その後2002年には天満橋に大型店「ル・クロ・ド・マリアージュ」、さらに2014年にはフランス・パリに「Le Clos Y」をオープン。パリ店はミシュランガイド掲載店として人気を集めています。
「ル・クロ」初めての福祉連携モデルは、2017年に京都で立ち上げたショコラティエ。障がいを持つ人々の技術習得に寄り添い、ものづくりを手がける中で、オーナーシェフ黒岩の心に芽生えたのは「これは福祉に役立つだけではなく、飲食業界のためにもなる」という確信でした。
もともと飲食業界は「見て覚えろ」が当たり前で、「多様性を受け入れ、人をコーチングして育てる」という概念が未発達な世界でした。
しかしそれではこれからの時代、持続可能性がありません。黒岩にとって福祉連携とは、障がいを抱える人に働く喜びを提供すると同時に、飲食業界の未来に問いを投げかける行為でもあるのです。