「レストラン」という言葉には本来、「回復させる場所」という意味があります。
大切な人とおいしいものを囲んで空腹を満たし、語らい笑い合って、
たとえささやかでも、明日を生きる力をもらえる場所。
その原点に立ち返って、今「ル・クロ」は思うのです。
ここで働く人にも、ここを訪れる人にも、ここに関わる人にも、
小さな希望を灯し、生きる喜びを再生する
「ユニバーサルレストラン」でありたいと。
ここは誰もが主役になれる舞台です。
障がいがあっても、生きづらさを抱えていても、
ここに来れば、自分でも気づいていなかった可能性が見つかる。
そしていつか、自分以外の誰かを勇気づける存在にもなれる。
私たちは食を通じて、多様性と共に生きる、
これからの「あたりまえ」を紡いでいきたいと思っています。
障がいがある人も働きやすい環境をつくること。
そのこだわりは「プロフェッショナルな料理やサービスを提供すること」と矛盾するものではありません。
ここではプロの料理人やパティシエ、サービスマンが、初めての人にも丁寧に指導。さらに、これまで一人のプロがこなしていた仕事を分解して構造化し、複数人で分担することで、一人当たりの負担を抑え、ゆっくり着実に成長できる環境を整えています。
たとえば車椅子のサービスマンが料理を運んできたら、お客様は一瞬驚かれるかもしれません。
でもよく見てみてください。彼や彼女が、誇りを持って働いている姿は、私たちやあなたを含めたみんなが、今よりちょっと生きやすくなれる世界の縮図です。
ハンディや弱さを理由に排除される社会ではなく、一人ひとりが自分に合った居場所で輝ける社会。そんなあり方を、私たちは模索し、発信し続けます。